サッカー育成問題。日本は内容ではなく結果重視?

 

今回は、”日本サッカーの育成問題“についてお伝えしていきます。

 

よく最近になって耳にするのが、”試合の内容を重視した指導“ではなく、”試合に勝つことを重視する指導“が育成年代で問題視されてきています。

 

育成年代で問題視されていること

試合内容を重視した育成

試合に勝つこと(結果)を重視した育成

 

これには、どのような違いがあるのでしょうか?

 

今回こうしたことについて、

ライフキネティックの視点

からお伝えしていこうと思います。

 

目次

①サッカーの育成問題

1列に並んだ各マーカーの隣に子供たちがボールを持ちながら立っている下半身

例えば、算数の問題やマークシートの問題で、正しい答えが導き出せずに適当に「3」という数字を解答欄に記入したとしましょう。

 

マークシートに鉛筆で記入している場面をズームアップした画像

 

ここで、回答者は問題を解く方法を全く知りません。

でも、結果的に問題に正解してしまいました…

 

私はこれが、

日本サッカーの育成年代の現状(問題)

だと思っています。

 

課題や問題の大切な部分(内容や過程)を無視してしまって、”足の速さ“や”身体能力“といった”フィジカル“だけで、その課題や問題とされている穴を埋めて(無かったことにして)しまう傾向があるように思います。

 

そのため、成人になった時、世界トップレベルの選手たちのように、”自分で考えて判断する“という”判断力“の部分で負けてしまいます。

 

日本サッカーの育成年代の課題

足の速さを重視

身体能力を重視

フィジカル(トレーニング)を重視

結果、判断力を養う為の育成ができていない...

 

世界トップレベルのサッカーでは、

高いフィジカル能力を持った選手が当たり前のように存在

しています。

 

でも、こうした高いフィジカル能力を持った選手たちでさえも、”自分で考えて判断“または”解決する能力“を各クラブが用意する環境の中で養っていき、最終的に”試合の中でフルに発揮する“ことができています。

 

では、フィジカル重視(試合の内容を無視したサッカー)にすることが、育成年代にとって “どれほど危険なのか?” を”ライフキネティックの視点“から考えてみることにしましょう。

 

②フィジカル重視と結果重視のサッカー

身体の大きい子供のサッカー選手がドリブルで小柄な相手選手をドリブルで抜き去る場面

世界トップレベルの育成では、その年代におけるサッカーの”課題“や”問題となっている部分“を丁寧に指導していきます。

 

しっかりと選手たちが、各課題をクリアしていけるように、サッカー強豪国の指導者たちは常に細心の注意をはらっています。

 

これにより、数多くいる育成年代の選手たちの中から、”将来有望とされる選手“や”世界トップレベルで活躍できる選手“が日本よりも多く誕生しています。

 

当然、

日本サッカーにも良い選手はたくさんいる

 

それは、私も否定はしません。

 

しかし、そうした選手たちが、いざ海外の強豪クラブに移籍すると、日本人選手よりも”小柄な海外の選手たち“に”レギュラー争いで負けてしまう“ことが多いです。

 

日本人がフィジカルや体格差で優っているのに、

これは一体どういうことことなのでしょうか?

 

これは冒頭でもお伝えしたように、見えない課題“や”問題となる部分を育成年代から解決していけるように、国を持ち上げて”サッカーの環境を整備“していることが大きな要因ではないでしょうか。

 

そして、それらの課題や問題を”解決してきた結果“が、大きな差となってあらわれているだけなのだと思います。

 

そういう私も、

あらゆる場面で判断の部分を誤魔化してプレー

してきたうちの1人です。

 

自分の視野に入っている全てが見えているようで、

実は見えていませんでした...

 

でもそれを周囲や指導者から指摘されると悔しくて、

つい誤魔化してきた自分がいます。

 

別にその試合に勝てれば何も文句はないだろう...

点を取って試合に勝てさえすれば...

 

そうやって、見たものを瞬時に判断できていなかった部分を”フィジカル“や”結果を重視した思考“に置き換えて、誤魔化しながら今までプレーをしてきました。

 

このように、過去の自分を振り返って考えみた時、

今の育成年代にも”自分で考える判断力が絶対に必要“だと感じました。

 

これは私だけでなく、

多くの日本サッカー選手に共通している分部

なのではないでしょうか。

 

だからこそ私は、日本サッカーの育成における課題部分を改善していく為に、”自分(脳)で判断する能力をアップできるライフキネティック“に興味を持ち、ライフキネティック・トレーナーになる道を選択しました。

 

では次のコーナーで、”判断力とライフキネティックの関係性“に触れていきたいと思います。

 

③判断力=ライフキネティック

人差し指で脳のイラストをタッチしている画像

私が当時まだ高校生だった頃、一軍に昇格する為の紅白戦を毎日のように行っていました。

そんなある日、一軍から落ちてきた選手が、私と同じチームでトップ下の中盤をしていたことがあります。

 

その選手は、明らかにFWである私が見えておらず、私がベストのタイミングでパスを要求したところ、全くパスが私の方に出てきません...

私も 1軍に昇格したい! という目標があったので、

ついカッとなり

「今のタイミングでパスを出せよ!」

と言ってしまいました。

 

しかし、その一軍から降格した選手は、

私の言葉に対し

「もっとパスを動けるタイミングでポジション取れよ!」

と言い返してきました。

 

1つ下の後輩です(汗)

 

私はその当時、1軍に何度も上がってFWとしてレギュラー争いに加わっていたこともあり(絶対の自信があったので)、自分のポジショニングもボールを受けるタイミングもベストだったはずです。

 

もう少し詳しく説明します。

 

当時の私は、たとえ相手DFがマークについていても、それを難なく対処できる技能が備わっていました。

「タイミング良くパスさえ出してくれれば、ミスをせずにプレーすることができる!」

という確固たる自信がありました。

 

しかし、この後輩は、”自分が周囲の状況を見ることができなかった“ことを私に指摘され、逆に私の方に否があるという態度をとってきました。

 

たぶん、

このような光景はジュニア年代のサッカーでも”かなり多い“はずです。

 

特にチームの中心となっているような選手は、

全ての原因を周囲の選手や他者のせい“にしようとします。

 

ここをクラブ・チームの指導者が、

どのようにして対処または指導していけるかが重要です。

 

酷い指導者になると、中心となっている選手を全く指摘せず(そのまま何も無かったかのように)、”育成年代に必要な指導を疎かにする“ことが多いです。

 

当然、足の速い選手やフィジカル面で優れている選手というのは、”判断力が多少劣っていてもフィジカルでカバー“できてしまいます。

こうした選手を抱える指導者の多くは、”試合に勝てれば別に問題ない!“と割り切って考えてしまう為なのか、選手のプレーや内容を問題視せず、逆にその選手たちを”優遇する(甘やかす)“ことになってしまいます。

 

こうした指導が多いことから、選手たちに欠けている課題や問題部分が見過ごされてしまい、”内容を重視したサッカーではなく、フィジカル試合結果を重視したサッカー“になってしまうのかもしれません。

 

そして、それを解決できるのが...

ライフキネティック

だと私は考えています。

 

もっとライフキネティックについて詳しく知りたい!という方は、下記の参考記事にも目を通してみてください♪

 

では、次のコーナーで”育成年代ではどのような指導が適しているのか“についてお伝えしてきたいと思います。

 

④育成年代に最も必要な指導

背後にサッカー選手がいて、

ジュニア年代でトレセンだった選手が、ジュニアユースやユースに上がってから影を潜めてしまうのは、これまでお伝えした”幼少期期の見落とし“があったことが大きな原因だと思います。

 

以前、

JFAアカデミーとJクラブ下部組織

の試合をリアルタイムで観戦したことがあります。

 

その際に、アカデミーの指導者が選手たちに対し、

「今は通用しても、将来それじゃ絶対に通用しないぞ!」

と大声でベンチから伝えている姿を見たことがありました。

 

このアカデミーのコーチは、

フィジカルや技術ではなく、”目に見えにくい判断“の部分を

選手たちに伝えていたのだと思います。

 

この “判断力” ですが、その種類は様々です。

 

たとえ、次のプレーの判断(予測やイメージ)ができていたとしても、的確な位置にポジショニングを取ることができなければ意味がありませんよね?

 

これをライフキネティックの視点から説明すると

 

ライフキネティックから見た視点

1.動き(走り)ながら周囲の状況を素早く把握する

2.最も適切なポジションを確保する

3.最善の対処法(プレー)を選択する

4.複合的に判断し、即座に判断を変化させる

こうした複雑な思考が、現代のサッカー選手たちに強く求められています。

 

皆さんは、一度にこれらのことを頭の中で判断できますか?

 

言い方を変えれば、

たとえ予測やイメージができていたとしても、

頭が働かず、良いポジショニングや対処法ができなければ

その予測やイメージは”宝の持ち腐れになる“ということです。

 

これは、身体的にもメンタル的にも非常に疲れます。

でも、それを理解していない指導者や親御さんが多いというのが現実です。

 

でも、それらの課題や問題を育成年代からしっかりとクリアしているのが、世界で活躍しているトップレベルの選手たちなのです。

 

メッシのプレー動画等を見ていると、あの異次元の素早いドリブルをしている中で、”相手をドリブルでかわしつつ、最善のパスコースやシュートコースを見つけて、的確に判断や選択をしている“のが感じられます。

 

もし、メッシがバルセロナという環境の中で指導を受けていなかったら、現在のメッシを我々は見ることができなかったかもしれませんね。

 

それだけ現代サッカーでは、

素早く周囲の状況を把握す能力

が必要なのです。

 

 

今後、どのようにしたらメッシのような世界トップレベルの選手を日本国内で育てられるのかを、ライフキネティック運動プログラムを用いながら、育成年代に関わる多くの人たちに伝えていける活動をしたいと考えています♪

 

まとめ

さて、いかがだったでしょうか?

今回は、日本サッカーの育成年代における重要な課題について、ライキネティックの視点も踏まえながらお伝えさせていただきました。

 

特に、

判断力“に関しては、

目で見る能力が非常に深く関係“しています。

 

下記に参考記事を載せておきますので、是非こちらにも目を通してみてください♪

 

今後、ライフキネティックが日本サッカーの育成において、どれくらい重要な役割を果たすことになるのでしょうか。

その辺についても、自身が行うサッカースクールの活動報告を加えつつ、ブログを通して皆さんにお伝えしていければと思います。

次回の更新も是非お楽しみに♪

 

セノビック