今回は、最近の記事内容も含めて”サッカーの補欠とレギュラーの差“と、実は”その原因が学習の個人差だった“について、ライフキネティック・トレーナーの視点からお伝えしていただきます。
これまでの記事を読んできた方なら
“学習には個人差がある“
ということをある程度は理解されているはずです。
学習の個人差については、下記の参考記事をご覧ください。
たぶん、サッカーをしている子供を持つ親御さんの多くは、”サッカーにおける補欠とレギュラーの差“がどのようなものなのか興味があるはずです。
私もサッカーの指導者として活動してから、この疑問が常に頭から離れず、”どうすれば指導する全ての子を成長させられるのか?“と悩んでいました。
その為に、トレーニングのやり方を色々と変化させる等してはみるもの、そこまで高い成果は得られませんでした...
ですので、これまでの過去記事や、お伝えしてきた動画の内容を理解しつつ、更にこちらの記事も読み進めていただければ、”その差は一体何なのか?“を理解できると共に、皆さんの中にある”疑問をきっと解決“できると思います。
目次
①補欠とレギュラーに学習の個人差がある?
まず、”補欠とレギュラーの差“に興味がある方ならば、先ほどお伝えした記事で紹介している動画をご覧になり、”学習には個人差がある“ということを既に理解できているはずです。
世間には、
“何時間かけても学習した運動スキルが身につかない子“
もいれば、
“すぐに学習した運動スキルを身につけてしまう子“
もいます。
だからといって、
その子の”学習能力が全く無い“というわけではありません。
もしかしたら、サッカーでは学習する運動スキルの向上は他より少し遅いかもしれませんが、”勉強“や”その他の芸術面“で”秀でる可能性がある“かもしれません。
また、サッカーだけに限らず、”その他の競技や分野で活躍(能力を発揮)できる可能性“も十分ありえます。
以前、”学習転移“に関する記事を書きましたが、”正の学習転移“が働くと、既に獲得した能力を用いて、他の分野で活躍できる可能性が高くなります。
でも、今の皆さんの悩みは
“サッカーにおける補欠とレギュラーの差“です。
そこに深く関わっているのは、確かに”ワーキングメモリー(作業記憶や短期記憶)“かもしれません。
でも、それ以上に必要なことは...
● 練習の必要性
● 時間や量
● 個人の活動(本人のやる気と行動)
でしたよね。
“運動スキルの向上が早い子“であれば、
短時間で”脳の機能的な変化までスムーズに進む“ことができます。
しかし、”運動スキルの向上が遅い子“は、
この”脳の機能的な変化までに時間がかかる“傾向があります。
だからといって、
上記の”運動スキルを向上させる3要素を無視“すれば...
- 練習の必要性を感じていない
- 時間や量が圧倒的に少ない
- 個人的な活動を全くしない
これでは、
いつまで経っても”脳の機能的な変化“を起こすことができません。
たぶん、ほとんどの親御さんは
「学習の個人差は分かったけど...」
と、ここから先のことで悩んでいるのではないかと思います。
では”その解決法“を、ここから先のコーナーでお伝えしていきたいと思います。
②補欠とレギュラーの差を埋める為に必要な要素
では、”補欠とレギュラの差を埋める必要な要素“ですが...
まずサッカーの本質は、”勝ち負けといった競争“も確かに重要ですが、”一番はサッカーそのものを楽しむ“ことではないでしょうか。
ある教育者が、”サッカーとは何か?“と話していたことがあります。
更にその教育者は、”サッカーはスポーツにおけるゲーム(競技・試合)であり、競技は勝ち負けだ!“と言っていたことがあります。
確かにそうなのでしょうが...
誰もがそれに、”必ず当てはまることはない“と思います。
ゲームは”遊び“でもあり、
その遊びは ”なぐさみ(気晴らし、楽しみ)“ でもあります。
つまり、その本人の解釈によって”いくらでも価値観が変わる“ということです。
もしかすと、その教育者は勝ち負けという争いがゲームの本質であり、サッカーの本質だと思っていたのかもしれません。
これは”個々の価値観“なので、これに対して特に否定はしません。
ですが...
やはり人には”それぞれ個人差“があり、その”個人差を少しでも尊重してほしい“というのが私の中にあります。
ですから、何も親御さん自身が
“子供の行動等を見て悩んだり、慌てたりする必要はない“
ということです。
たまに私の次男が、ゲーム機に向かってイライラしていたり、床を叩いて悔しがっていたりする場面を目にしますが、私はこれを見ると少し悲しくなります。
今ではテレビゲームの世界にもプロの世界が存在し、当然その中でも勝ち負けはあると思いますが、まだ次男は子供ですし、決してそこを目指しているわけではないと思います。
なので私は、次男に対して
「何をそんなに腹を立てているのか?」
と優しく問いかけるようにしています。
そんなに”心に悪いものならやらなきゃいい“だろうと。
そうなんです。
人は自分の心に悪いと思った活動をすると、いつしか”拒否反応を示す“ようになります。
それとは逆に、違った感情も出てくるようですが...
あえて今回、それには触れないことにします(笑)
あなたが自分のお子さんに対して、強い期待を抱き、更にその行動を促せば促すほど、お子さんにとって”苦しい活動“になる可能性があります。
たまに公園で、親御さんが子供に対してキツイ言葉を投げかけながらサッカーや野球をしている様子を見かけることがあります。
こうした様子を見ていると、本当にその子は、”心の奥底からその活動を楽しめているのか?“と感じてしまいます。
まさに、スポコンのアニメといった感じです...
価値観は人それぞれ個人差がありますから、こちらも私は特に否定しません。
ただ、子供にとって重荷になっていたり、ストレスになっていたりするようならば”考え直す必要がある“ということです。
ちなみに長男は、サッカーを辞める時に、「別にサッカーなんて好きじゃなかった」とハッキリと言っていますので、仕方なく親の私に付き合っていたのだなというのが、かなり後になって分かりました。
なので今は、自分が興味を持っている陸上を”気晴らしや楽しむ程度“にやっています。
なので、今は辛いとか愚痴も言わずに陸上を辞めることもなく”好きなことを長く継続すること“ができています。
1.勝ち負けにこだわる必要性はない
2.本人にとって苦しい活動にしない
3.長く継続できる環境を選択する
ここまで読み進めて、何となくですが、”運動スキル習得のコツ“と”補欠とレギュラーの差を埋める為の要素“が分かってきたのではないでしょうか?
更に次のコーナーで、”補欠とレギュラーの差を埋める方法“についてお伝えしたいと思います。
③補欠とレギュラーの差を埋める為にすること
さて、ここまで読み進めれてくれば、”サッカーで補欠とレギュラーの差を埋めるもの“が何なのかが、ある程度は判断できますよね?
そうです!
“サッカーを思いっきり楽しむこと“です!!
これは、とても単純な話ですが...
たぶん、”サッカーをして辛い思いしかしていない子“は、”将来的にプロ選手のサッカー選手にはなれない“のではないかと思います。
本当に心の奥底からサッカーを楽しみ続け、ある日、「もっとサッカーが上手くなりたい!」という感情が心に芽生えるからこそ、”サッカーの運動スキルを向上させる為のスクールに通う“ことになったり、”サッカーが上手くなる為のトレーニングを取り入れる“ようになるのだと思います。
ですから、
“まずはサッカーが楽しめる環境づくり“
から始めてください。
ちなみに、昨日も行った国立市で活動するライフキネティック・サッカースクールですが、最近になって「もっとサッカーが上手くなりたい!」という感情が芽生えてきた選手(小学生)が新規で2名ほど参加しています。
私は子供たちの楽しみを奪うようなことは決してしませんので、”サッカーの運動スキルが向上する為に必要なことだけ“を、”ライフキネティックを通して楽しみ“ながら選手たちに伝えてるようにしています。
選手たちの中には、
「その(頭を使う)エクササイズはやりたくなーい...」
と嘆く場面もありますが(笑)
いざエクササイズが始まると、私が指示する内容や課題に対して、”集中して記憶“しようとしていますし、学習課題の難易度を高くしても、”途中で諦めずに頑張って克服“しようとしています。
ここまで記事をお読みになって、少しはライフキネティックの特性が分かっていただけたでしょうか?
ではここで ”おさらい“ です。
脳の変化を起こす為には、何が必要だったでしょうか?
- 本人の行動
- 練習が何よりも効果的!
- 本人がやるしかない!
①まずはサッカーを好きになる!
初めは”遊び感覚のスクール活動“でOK!
(でも所属するチームやクラブ選びは慎重に)
②練習(学習)の過程が大切!
“難度(レベル)を上げたい、もっと努力しようとする“
(”本格的な習い事“は、この辺りから考える)
③上記1~2の流れから次第に脳が変化していく!
“より多くの学びが起きる“
(脳に変化があらわれる時期)
④本人のやる気と行動で更に脳が変化する!
“多くの構造的な変化(長期記憶に関係する)が起こる!“
(練習や学習の成果が結果としてあらわれる時期)
⑤活動を楽しみながら集中すること!
“神経細胞の間隙に起きる科学的シグナル(ドーパミン)の濃度を上げるによって、短期記憶の向上も可能になる!“
(”学習転移の効果“も期待できるようになる)
今年1月頃から始まったサッカースクール(ライフキネティック・コース)ですが、当初から参加している選手と、最近になって加わった選手たちとを比べると、”運動スキルに大きな差“があらわれるようになってきています。
では、この”たった3カ月の間“に起こった、
選手たちの”運動スキルの差“は一体何なのでしょうか?
まだサッカー自体が上手くなっていなくても、
“それぞれの脳に変化があらわれてきているのは明白“
ですよね。
こうしたライフキネティックのエクササイズを行っていると、指示した内容や課題を記憶をする時に、”頭の中を整理するのが早い子“も出てきます。
また、”目と手や足のコーディネーション能力が優れていく選手“や”右脳を使ったイメージ能力が高くなる子“も出てくるようになります。
このように、それぞれ選手たちの能力を見ていると、個々の選手たちが持つ”能力の個人差や特性(強みや弱み)“というものが見えるようになっていきます。
現在、活動に参加してくれている選手は9名です。
“国立市、国分寺市、府中市、立川市近隣にお住いの方“で、かつ「もっとサッカーの技能を向上させたい!」という感情が最近になって芽生えてきた選手がいれば、まだまだ参加メンバーを募集しておりますので、気軽に体験にいらしてください♪
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、”サッカーの補欠とレギュラーの差“と、実は”その原因が学習の個人差だった“について、ライフキネティック・トレーナーの視点からお伝えさせていただきました。
“脳の個人差“と”学習の個人差“を知ることによって、”その差を埋める解決策やコツ“を知ることができたのではないでしょうか。
確かに、ライフキネティックの活用も重要ですが、”脳は常に変化している“ことを知っていれば、いかに”良い行動や活動が重要“ということが理解できるはずです。
この記事を読んでも、
“サッカーが上手くなる為には、厳しい指導者に怒られながらトレーニングを受けることが一番!“
と思っている方は、かなり重症な方だと思います(汗)
是非この記事の内容から、”本人の脳にとって良い行動“を促せるようになっていただければと思います♪
他にも”サッカーが上達する為の参考記事“がありますので、時間をかけながら、ゆっくりと目を通してみてください。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました♪