今回は、「二軸動作」から「古武術」と進み、その次に長友選手も取り入れた「胴体力」についてお伝えしていきます。
皆さんにとっては、あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、これを知ることで今後のサッカーを見る目が変わりますし、価値観も変わっていくはずです!
目次
①胴体力とは?
この胴体力ですが、発案された伊藤昇氏は残念ながら既に他界されています。
そのため、書籍を読んだり、そのお弟子さんたちに直接教わることでしか「胴体力」を知ることができません。
そのため、私は渋谷にある胴体力の指導をする会場となっている「渋谷蔵脩館」まで直接足を運んでみることにしました。
ちなみに前回の記事でもお伝えしましたが、この胴体力はサッカー日本代表の長友選手が取り入れた理論でもあり、中村俊輔選手にも身体を使って説明をしたことがあるという経緯があります。
ですので、そこから自身のヨガトモが誕生するキッカケになったのだと思います。
彼自身、イタリアでの試合の中で何度か怪我をして実戦を退いたことがあり、大学生時代にも怪我に悩まされていた時期があります。
そうしたことから、身体のメンテナンスを重要視するようになり、自分の身体と向き合い常に問いかけていたのだと思います。
そのおかげなのか、彼はほとんど怪我をせずにシーズンを過ごすことができるようになりましたし、強靭な身体を持つ海外選手にフィジカルで負けない身体を作ることに成功しました。
長友選手が説明している話では、「手と足は胴体から生えている」。つまり手と足を使って動くことよりも、「胴体自体が動くようにしなければいけない」と彼自身も説明しています。そしてその中で大切な動きが、「丸める」「反る・伸ばす」「捻じる」という三方向への動きです。
私自身もお弟子さんの丁寧なアドバイスを受けながら、上記の三方向の動きを実際にやってみました。
当時は腰痛に加えて肩凝りもあった為、なかなかスムーズに動きませんでしたが、やっていると少しずつ気持ちが良い感覚へ変わっていきます。
ストレッチや柔軟体操が苦手な方には少し辛い作業かもしれませんが、それだけ身体、つまり胴体が使えていないということなのだと思います。
②胴体力の効果
先ほどもお伝えしたように、この胴体力は世界で活躍しているサッカー選手の長友選手が取り入れた理論です。
別にサッカーに限られた話ではありませんが、今回はあえて長友選手が取り入れた理論として紹介しています。何故なら多くの方は、結果を出した選手を参考にして取り入れるからです。
ではサッカーに胴体力を取り入れると、どのような効果が得られるのでしょうか。
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これはあくまでも私自身の体験談ですが、率直に言うと「三方向の動きの可動域が増す」です。
可動域が増すということは、それだけ身体が動く範囲が広がり、様々な動作を可能にすることを意味します。
そして三方向の動きは3つの動きがそれぞれ一定方向ではなく、絡み合いながら立体的に動くことになるので、全ての動きが噛み合った時にその効力が最大限にあらわれるようになります。
二軸動作と古武術は「捻じる」という動作を好みませんが、この胴体力では「捻じる」という動作が入ります。
当然、サッカーにおいて捻じる動作は絶対に必要不可欠であり、メッシやその他の世界トップレベルの選手たちを見ていても、身体を捻じる動きがとてもスムーズです。
ですから、サッカーでは捻じりながら伸ばすや反るという動作もありますし、丸めながら捻じるという動作も必ず出てくるはずです。
我々はそこを全く意識せずに、ただ何となく自分の身体が動く範囲内で身体を動かしています。そのため、自分の身体に問いかけるという作業をほとんどの方はしていません。
ちなみに、この内容をソフトボール経験者に話したところ、バッティングでも捻じるとか、その際の軸の置き方が重要だということを聞いたことがあります。
もしかすと、野球のツイスト打法などがそれなのかもしれませんね。
そして、この胴体力を知れば知るほど「捻じる」という動きがサッカーに役立つことが分かってきます。
特にジンガが良い例です。
今では多くのジュニアサッカー選手がジンガを取り入れていますが、ただ単にその動きを真似てするよりも、胴体力を知りながらジンガをする方がより身体がスムーズに動くようになります。
といってもジュニア年代から胴体力の内容を理解することは非常に難しいので、身体を良く動かせるようにするための運動だと理解させる方が無難だと思います。
こうして胴体力を知った私は、それを取り入れてジダンのようなスムーズなコーディネーションにチャレンジする日々が続くようになっていきました。