今回は、”サッカーのジュニアユースでセレクションに合格する方法“と”クラブの特徴や傾向から分かる対策“について、ライフキネティック・トレーナーの視点からお伝えさせていただきます。
夏が過ぎ、この時期になってくると、小学生高学年の選手は”中学校やジュニアユースでサッカーをすることを少しずつ考える“ようになると思います。
そこで今回は、”ジュニアユースのセレクションに合格する為の方法“として、”各クラブの特徴や傾向から分かった対策“をお伝えできる範囲で説明していきます。
なお、当スクールのムービレッスンは、2006年あたりから活動を開始し、”日本国内の様々な選手がジュニアユースのセレクションに合格“しています。
ですので、”これまでのセレクションから分かった傾向や対策“をお伝えしながら、”ジュニア年代で習得しておくべき技能“というものを詳しく解説したいと思います。
目次
①ジュニアユースのセレクション

まず、”ジュニアユースのセレクション“ですが、これを大きく分類すると”フィジカル系のクラブ“と”技術系のクラブ“に分けることができます。
そこに、例外として”Jクラブの下部組織やアカデミーといったジュニアユースが加わる“ことになるので、おおまかに”3つに分類“できます。
- フィジカルを重視したクラブ
- 技術を重視したクラブ
- Jクラブの下部組織やアカデミーなど
上記の分類から、各クラブの特徴に合わせて、”セレクションに合格する為の必要な要素(技能)“というものを判断していく必要があります。
それでは、”セレクションに合格する為の必要な要素(技能)“を次のコーナーから順に解説していきますので、最後までじっくりと読み進めてください。
②セレクションに合格する為の準備

これから、”ジュニアユースのセレクションに合格する為の準備“をしようと考えている方は、”いつからその準備をするか?“まで考えなければいけません。
つまり、何の事前準備もせずに、”行き当たりばったりではジュニアユースのセレクションには合格できない“ということです。
既に、今年度2019年は9月に入ってしまいました。
まさか、これからセレクションを受ける準備をする人はいないと思いますが...
もしこれから、セレクションを受ける為の対策を練ろうと考えているのであれば、個人的な意見として”諦めた方が良い“と思います。
何故なら、
“多くのライバルたちはもっと早くから事前に準備“
しているからです。
特に、”初めてセレクションを受ける人は注意が必要“です。
よほどの実力差がない限り、”Jクラブの下部組織やアカデミーなどのセレクションに合格することはできない“からです。
それでも、毎年のように多くの人たちが上記のセレクションを受けているわけですが、大抵の場合は”目にも留めてくれない“というのが現状です。
それだけ、”Jクラブやアカデミーなどは倍率が高い“ことと、”優秀な技能を持った選手たちが全国各地から集まってくる“ということです。
ですから、”ジュニアユースのセレクションを受けようと考えている“ならば、”しっかりと計画を立てて、事前に準備する必要がある“のです。
これから、先ほど分類した”各クラブの特徴や傾向“を踏まえた上で、”準備または習得すべき技能“を幾つかご紹介していきます。
③セレクションの傾向と対策

それでは念の為、もう一度ジュニアユースの分類を載せておきます。
- フィジカルを重視したクラブ
- 技術を重視したクラブ
- Jクラブの下部組織やアカデミーなど
この分類から、まずは”本人が1~3のどのあたりのクラブが狙えるのか?“を検討してみてください。
たぶん、”思った以上にハードルが高い“ことに気づくと思います。
1.フィジカルを重視したクラブ
では、先に”フィジカルを重視したクラブ“についてお伝えします。
このクラブの特徴ですが、多くのジュニアユースの中で”唯一Jクラブのジュニアユースやアカデミーを脅かすような存在として位置“しています。
まず、このクラブの特徴としては、
- 絶対に走り負けない(スタミナ)
- 球際で負けない(フィジカル)
- 技術よりも精神力(メンタル)
このような特徴から、”熱血指導がウリのスポーツ少年団の延長となるクラブ“と考えれば良いかもしれません。
ですから、上記3つの要素では”俺は絶対に負けない!“という”強い精神力(気持ち)を持った選手にピッタリ“だと思います。
その為には、幼いうちから”フィジカルを向上させるエクササイズやメソッド“を数多く取り入れて、”筋力によるスピードや体格差等で技術をカバーできる能力“を身につける必要があります。
指導者の間では、”軍隊式のトレーニング“と表現されることもあり、”サッカーの技術トレーニングよりも走り込みやフィジカルトレーニングが中心“になってくると思います。
それでも、こうしたクラブは”地域のJクラブ下部組織やアカデミーなど“を公式戦で見事に破ってしまいます。
こうした傾向を高く評価する人たちにとっては、日本サッカーに”フィジカル重視のクラブの存在は無くてはならないもの“と考えられているようです。
ただし、こうしたトレーニングをジュニアユースから行っていることもあり、それによってユース(高校生)年代で、”サッカーに必要な技術が足りない“という理由から、”レギュラーから遠ざかる選手も少なくない“ようです。
ちまたでは、ゴムチューブを使ったトレーニングや縄跳びを使ったトレーニングが盛んに行われているようですが、その時間を”サッカーの技術に充てるのか?“、それとも”フィジカルに充てるのか?“で、”サッカー選手としての将来が分かれる“ように思います。
私個人の意見としては、”不器用なサッカー選手には育てたくない“という方針があるので、”フィジカル重視のトレーニングはユース年代からで全く問題ない“と考えています。
この辺については、皆さんの判断にお任せしますので、”サッカーの技術よりもフィジカルが重要“と考えているのであれば、そのようなトレーニングを事前に取り入れるようにして、”フィジカル重視のジュニアユースセレクションを受けると良い“でしょう。
なお、こうしたフィジカルを重視したトレーニング法は、”当サイトでは一切扱っていません“ので、既に”クラブに在籍している方などから情報を集めてると良い“と思います。
2.技術を重視したクラブ
それでは、次に”技術を重視したクラブ“についてお伝えします。
このクラブの特徴ですが、最近になって”日本国内に増えてきているクラブ“のように感じます。
このクラブの特徴としては、
- とにかく技術重視(テクニック)
- 組織的なプレー(ポゼッション)
- 勝敗よりも内容重視(選手の育成)
こうした特徴から、”普段からボールを使ったトレーニングが中心になる“ことが多いようです。
ちなみに私の長男の場合は、どちらかというと、この分類のジュニアユースに所属していました。
例えば、練習試合(TRM:トレーニングマッチ)などで、それぞれ空いている時間があれば、”常にボールを使って技術習得の為の練習“をしており、場合によってはテニスボールを使ってリフティング等をしている姿も見かけたことがあります。
私の長男は、ドリブルに関してかなり高い技術力を発揮していましたが、指導するコーチが変わる度にポジションを変えられ、何故か苦手とするサイドバックをやらされているのを何度も目撃しています。
他の選手の場合は、その選手が得意とするポジションをやっていたのに対し、何故か私の息子だけは苦手なポジションをやらされていました。
当然、将来を見据えて”守備もできなければいけない“ということで、ディフェンスのポジションをやらされていたのでしょうが、これがかえって“本人のサッカーに対する考え方や気持ち(モチベーション)を変えてしまうことになってしまった“ようです。
特に、最初の1年間は後半に差し掛かってくると、実力はあるものの公式戦に出させてもらえないことや、様々な要因からサッカーが面白くなくなっていったようです。
こうした背景には、その”クラブの指導者が目指す方針というものが存在“する為、それに合っていないと私の息子のように”サッカーが面白くなくなるケースがある“ようです。
ですから、この時に”クラブの特徴や指導方針というものが非常に重要“なのだなと改めて考えさせられることになりました。
それと、もう1つサッカーが嫌になった要因があるとすれば...
それは、”組織的なプレー(ポゼッション)“に関することだと思います。
つまり、技術(テクニック)重視のクラブが、フィジカル重視のクラブに勝つ為には、個々の能力だけではなく、”組織的にプレー“をしなければならない為、”高い戦術理解も必要“となります。
ですから、そうした組織的なプレーをする上で、”周囲とのコミュニケーション能力も必須項目“になりますし、”味方に指示を出せるような選手“にならないといけませんし、”得意なドリブルを我慢する“といった場面も出てきます。
そういう意味では、息子がサッカーを辞めてからは陸上を好んで活動しているので、”団体スポーツよりも個人競技に向いていた“という特徴が本人にあったのかもしれません。
これは、個々の課題や特徴(個人差)にもよると思いますが、特にサッカーでは”味方に指示(コーチング)ができないと上手く機能または連携がとれません“ので、本人の特徴などを加味した上で、”クラブの方針に合った選択“をした方が良いと思います。
なお、最低限必要とされる”サッカーの基本技術“を過去に記事にしていますので、是非こちらの記事を参考にしていただけたらと思います。
それから補足として、セレクションを受ける方々に、こうした”サッカーの基本的な技術や能力をムービレッスンという形で指導“したところ、特に”アウトサイドの切り返しが参考になった“という言葉をいただいております。
これまで、セレクションを受けようとしている多くの選手たちを見てきましたが、この”アウトサイドの切り返しが上手くできていない選手が多い“というのがとても印象的でした。
この技術は、リオネル・メッシが得意とする”マシューズフェイントにも繋がる技術“になる為、”必ず習得しておく必要がある技能“だと思います。
当然、こちらも過去に記事を書いていますので、”技術重視のクラブのセレクションを受ける方“は、下記の記事をじっくりと読んで、しっかりとマスターしておいてください。
どうしても、”アウトサイドの切り返し“や”マシューズフェイントの習得が難しい“という方は、ムービレッスンにて技術習得のアドバイスをしていますので、興味があればこちらのサービスを是非ご活用ください。
3. Jクラブの下部組織やアカデミーなど
それでは、最後に”Jクラブの下部組織やアカデミーなど“についてお伝えします。
これらのクラブの特徴ですが、これまでお伝えしてきたクラブよりも遥かに倍率が高く、セレクション合格のハードルが格段に跳ね上がります。
何故かというと、”各地域で優秀とされる選手たち“が集まり、”将来プロ選手を目指そうとしている選手も多くなる“からです。
このクラブの特徴としては、
- 他よりも脳の発達が早い(早熟タイプ)
- 技術能力ともに優れている(テクニック&フィジカル)
- 戦術理解度が高い(ポゼッション&コーチング)
こうした特徴から、”ジュニア年代で早期に技術や能力を発揮できている選手“がセレクションに合格するようです。
特に、”脳の発達においては他よりも明らかに早いのが特徴的“で、いわゆる”やったら何でも出来てしまうレベル“に該当します。
また、こうしたクラブに所属する選手たちは”身体の成長も早いのが特徴的“ですし、たとえ身長が低い選手でも”足が速い“か”ボールが奪われない高い技能“を有しているというのが非常に目立ちます。
ちなみに、私の長男もジュニア年代で某Jクラブのジュニアと試合をしたことがありますが、その時に”ジュニアユースに登録しているジュニア選手“を見た際に、かなり”高い技術力と能力が身についている“のを確認しました。
ドリブルをしていて相手に身体を当たられても、”難なくそれを跳ね返す能力“を持っていたり、絶対に”ボールを奪われない技術“を持っていたりしました。
当然、これだけプレーに余裕があるわけですから、”周囲の状況を素早く把握する能力も高いのが特徴的“で、息子のチームは”ほとんどボールに触れることもできずにパスを回され続ける“といった酷い試合内容でした。
このように、Jクラブ下部組織やアカデミーに所属している選手というのは、”早い段階から様々な能力が高い“というのが特徴です。
ですから、ライフキネティック・トレーナーの視点から見ると、”かなり幼い頃から脳に多くの刺激が加わっていた“のだなと感じます。
つまり、”長男がいる次男“や”長女がいる長男“といった”第二子以降の子供たちに見られる特徴“があるようです。
この辺については、過去に記事を書いていますので、下記の記事を参考にしていただけたらと思います。
その為、こうした特徴を持った選手たちに負けない為に、私は”脳神経可塑性というものを重要視“しています。
特に、私がお伝えしている”ライフキネティック“は、この”脳神経可塑性を上手く活用している運動プログラム“だと思います。
こちらは余談になりますが、当サッカースクール(ライフキネティック・コース)に参加している選手たちが多く所属するジュニアクラブが、先日行われた”都内の大会で優勝をして都大会出場”を決めました。
まだ、ライフキネティック・コースを立ち上げてから”約半年程度の活動“ですが、スクールに参加している選手たちの能力が、徐々に高くなっていくのを確認しています。
ですので、皆さんの周りにもライフキネティック教室があれば、是非そちらを体験していただいて、この運動プログラムの高い効果を実際に肌で感じていただけたらと思います。
このように、Jクラブ下部組織やアカデミーのジュニアユースセレクションに合格する選手たちというのは、”早期に高い能力を発揮する傾向“があり、”一般の選手がその差を埋めるのは非常に困難“とされています。
ですので、かなり早い段階から準備や計画を立てて、”このクラブの特徴に合致した技術と能力を身につける必要がある“と思います。
しかしながら、こうした準備や計画を立てて、その通りに取り組める子というのはそれほど多くは存在しませんので、あまりお子さんたちの負担にならないように活動していってくださいね♪
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、”サッカーのジュニアユースでセレクションに合格する方法“と”クラブの特徴や傾向から分かる対策“についてお伝えさせていただきました。
こうした、数あるジュニアユースのクラブの特徴を知ることで、それぞれの傾向や対策というものが見えてきたのではないでしょうか。
今回、ジュニアユースのクラブを大きく3つに分類させていただきましたが、決して全てのクラブがこの特徴に当てはまるということではありません。
この記事を読んで、少しでも”ジュニアユースのセレクション“に役立てていただけたらと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました♪
