今回は、アルゼンチンが生んだ天才ドリブラー”リオネルメッシのドリブル“について、その”特徴“や”コツ“、”練習法の有無“、”彼とスンタリー・マシューズの動画から分かること“をお伝えしていきたいと思います。
メッシに関する記事は、今回で2回目です。前回はメッシの動画を”1日1回見ましょう!“という内容でしたね。
あれからそれなりの時間が経過しましたので、しっかりとブログを読んでくれていた方なら、その大切さが分かっていると思います。
個人的にメッシが一番大好きなサッカー選手というわけではありませんが、やはり”バロンドールを何度も授賞“していますし、”ドリブルと言えばメッシかマラドーナ“というくらい、”アルゼンチンでは当たり前の代名詞“になっています。
今回は、彼のドリブルに前回よりも更に深く迫っていきたいと思います!
目次
①メッシのドリブルの特徴とは

“メッシのドリブル“を何度も見ていると、”ある特徴“というものが見えてくるようになります。
私だけでなく、結構いろんな人が彼のドリブルを模索し、それを動画やインターネット上で公開しています。
でも不思議と”彼のようなドリブラーは日本にあらわれません“よね?
これだけ”メッシの動画やドリブルの特徴がインターネット上で見られる“のに、これといった決定打がない為か、”いまだに未知の領域“です。
何故これほどまでに”メッシのドリブルが難しい“のと、”一般に浸透しない“のかというと、彼には”これといって目立ったお決まりの技やパターンが無い“からではないでしょうか。
“ルーレットができればジダン“と言われますし、”ロナウジーニョやネイマールならエラシコやシャペウ“をすれば、それ相応の呼び方をされます。
でもメッシには、
“メッシの〇〇〇“
というフェイバリットがありません。
というのも、彼の使っているドリブルの技術は、”昔からある技術ばかりで、決して真新しいものではない“のです。
主に使っているのは、”マシューズ“と”ダブルタッチ“です。
ダブルタッチに関する参考記事もご用意しておりますので、興味のある方は是非ご覧ください。
当時、ドイツやイングランドのサッカー指導者用の専門書を読んでいた際に、”選手たちに伝えるべき技術“として、”マシューズという名のついた技術“がありました。
当時の私は、まだマシューズという人物の存在を知りませんでしたので、すかさず”マシューズという人物がどのようなサッカー選手“だったのかを”動画で検索“することにしました。
ちなみに、彼は”スタンリー・マシューズ“と呼ばれていました。
まだ、YouTubeにも動画があったので一応ご紹介します。
それにしても動画が白黒って、いつの時代の選手なのでしょうかね...
(一部省略していますので約秒1分の動画です)
ご覧になっていかがだったでしょうか?
何となく”メッシのドリブルと特徴が似ている“ように感じませんでしたか?
メッシは左利きですが、たぶん彼は右利きだと思います。
あの”サッカーの神様ペレ“や”ベッケンバウアー“も称賛した”偉大な選手“なんだそうです。
当時、彼は17歳でプロデビユーして、50歳まで現役選手として一線でプレーしていたようで、”現役時代に一度も警告を受けたことがなかった“そうです。
さすがイングランドですね!
それにしても、この国には両極端な選手が存在するようです(汗)
あえてそこには触れませんが...
それで、”スタンリー・マシューズのプレーを見る“ことで、”メッシのドリブルの特徴が見える“ようになっていきます。
- 必ず視線の先に相手の足元がある
- アウトサイドでボールをタッチするのか?
- インサイドでボールをタッチするのか?
- どちらか分からないような動き方をしている
上記が”ポイント“です。
相手ディフェンダーからは、
“どちらの側(イン・アウト)でボールをタッチするのか予測できない“
というところに、
この”技術の秘密がありそう“です。
では、その”秘密とコツ“を次のコーナーでお伝えしたいと思います。
②マシューズフェイントの秘密とコツ

まず、”マシューズフェイントのコツ“ですが、
これは”ディフェンダー側の立場から見ると理解しやすい“です。
日本人の多くは、
“自分が技術を出せば必ず相手が引っかかる“
または
“惑わせることができる“
と勝手に思い込んでいます。
ですから、一生懸命ドリブルテクニックの本やDVDを買って、それを参考にインターネット上で公開しているのでしょうね。
でも、ライフキネティック・トレーナーの視点から見ると、
“本質は違う“
と言えます。
彼の脳には、”相手の動きがインプット“されていて、”どのような時にどのようなタイミング“で、この”技術を出せば相手をかわせるのかを知っている“と感じます。
当然、それを”瞬間的に実行に移せるようにする“には、”いつでも身体が動ける(脳の判断を瞬時に変えられる)状態“になっていなければいけませんし、”相手の足がボールに届かない位置へボールをコントロールするタッチ技術も必要“です。
以前、フットサルをしていた頃に、メッシのドリブルの特徴を真似ている人を見かけたことがあります。
しかし、レベルの低い相手(ディフェンス)ならば、それで何人でも抜けてしまうのですが、いざレベルの高い相手(ディフェンス)になると、”全くその技術が出せずにいた人“を覚えています。
これって何故でしょうかね?
たぶん、”本人は分かっていない“と思います。
知っているのは私だけでした。
“相手選手のレベルが高くなる“ほど、”相手の動きやタイミングも変わる“ことは明らかです。
その
“一連の流れを脳でインプット(記憶)“
していなければいけません。
だから、
“ドリブルテクニックの本やDVD(動画)は全くあてにならない“
のです。
“基礎的な部分が抜けている“のに、”それをすれば相手を抜ける“とか”必ず相手をかわせる“と当たり前のように書いたり、言ったりしていますよね?
しかも本気でディフェンスをしてこない相手に...
そういう教材なら私にだっていくらでも作れます。
これは、
“あとはそれを買った人が勝手にそれらを解釈してください!“
という代物です。
これでは、その教材の存在自体、意味をなさないと思いませんか?
ですから私は、そういう教材にしたくないことを理由に、”本気で学びたい人だけにサッカーの技能をお伝えする“ようにしています。
でも多くの人は、それが知りたいがために、それ相応のお金を支払って購入しています。
酷い人になると、それらを動画にあげて、
“自分はメッシのドリブルが完璧にできますよ!“
といった宣伝までしている人がいます。
そこに関して、否定するつもりはありません。
ですが...
本当にその技術を知りたい、学びたいと思っている人に対して、とても失礼ではないかなと個人的に感じてしまいます。
何故、”何もないところからマシューズが誕生するのか私には理解できません“し、それが”実戦で本当に通用するのかも微妙な気がする“というのが私の本ねです。
少し話が反れてしまいましたね(汗)
ようするに、”こうした目立たない古くからある基本的な技術“は、”ちょっとやそっとのことでは簡単に習得できない“ということです。
私もいまだに40歳オーバーの試合等でやることがありますが、”マシューズフェイント“をすると、”相手ディフェンダーにファールをされる“ので、”個人的にはあまり多用しない“というのがあります。
その度に倒されたり、ファールされたりと痛いですし、とても疲れますからね。
でも、サッカーを教えている子供たちは、まだまだ若いですし、当然ながらエネルギッシュなので、是非こうした”基本技術を幼い頃にマスターしてほしい“なというのが私の中にはあります。
ここでも”1万時間の法則“を出してしまいますが、ただ単に1万時間このマシューズをやったからといって、”その技術(運動スキル)が必ず身につくという簡単なことではない“のです。
もし「それは何故?」と思った人は、下記の脳神経可塑性に関する参考記事に目を通してみてください。
なお、”運動スキルの習得には個人差“があり、”それなりの時間と練習量が必要“ということが分かると思います。
そして、その”個人差“によって、”マシューズが習得できる時間や練習の量“が変わってきます。
当然、これらを”短縮させるのが私の役目“でもあります♪
その他にもある”マシューズフェイントの秘密を知りたい方“は、下記の”学習の個人差“に関する記事も是非ご覧ください。
③メッシとマシューズを見て分かること

“メッシの動画“を毎日見ていると、身体の使い方が少しずつ分かってきます。
しかし肝心である
“技術を出すタイミング“
とうのが分かりにくいとうのが”特徴“です。
あまりここでそれには触れたくありませんが...
ヒントは
“相手選手の身体の動き“
です。
これには、
“運動生理学が深く関係“
しています。
それに加えて、”脳でそれらを記憶“している必要があり、”短期記憶や長期記憶といった能力が必要“になってきます。
短期記憶と長期記憶に関する記事もご用意しています♪
ある会員の親御さんとメッセージをかわしていると、
“最近できることが増えてきたせいか、それによって技術を選択する部分で判断に迷いが生じている”
というやり取りをすることがあります。
それもそうですよね。
今まで1つか2つのことしか選択できなかったものが、”3つ4つと選択肢が増えていく“わけですから(笑)
習得した技術の中の
“どの技術をどのタイミングで使うべきか”
という部分で判断に迷いが出てしまうこともあるわけです。
ライフキネティックでは、こうした”瞬間的に技能が出せない原因“は、筋肉や骨格といった肉体だけでなく、大本である”脳に問題や課題がある“と考えます。
そして、
“その判断で迷っている間もプレーする時間は着実に経過“
しています。
これによって、
“頭が真っ白になって相手にボールを奪われたり“
“出だしの反応が遅くなったり“
します。
いかにそれらを”脳で判断“して、”短時間で相手の動き“や”かわすタイミング”を見極められるか?“が、この”マシューズやダブルタッチの基本技術の難しい部分“でもあります。
それではここで、少しだけメッシのドリブルをご覧になってください。
(一部省略していますので約15秒の動画です)
当時のマシューズとは、格段にサッカーのレベルは違います。
でも、”基本的な動きやタイミングなどは同じ“だと思います。
現在のメッシに対するプレッシャーと、過去のサッカーにおけるマシューズに対するプレッシャーでは明らかに違いがあります。
さすがに、その辺を考慮に入れて考えなければいけませんよね。
私の場合は、あえて答えを簡単には教えません(笑)
ご自身でこの動画を見て、この記事のヒントを元に”自分で考えて答えを導き出す“ようにしてください。
メッシの動画を見れば見るほど、”現代サッカーに必要な様々な技術“や”コーディネーション能力“が見えてくるようになりますよ♪
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、”リオネルメッシのドリブル“である”マシューズフェイント“と、その”コツや特徴(秘密)“について、本人と”スタンリー・マシューズの動画“も参考にしながらお伝えさせていただきました。
是非この機会に、
“何故いくら練習をしても実戦で技術が出せないのか?“
という疑問に真剣に向き合ってみてください。
そうすることで、マシューズフェイントだけでなく、様々な技術が出せない原因が何なのかを理解できるようになってくるはずです。
特に、サッカーをしているお子さんのプレーを見ながら、不甲斐なさを感じてしまっているパパさんやママさんは、こうしたことを知っておくことを強くお勧めします。
私は、ただ単に理由もなく、こうした記事を書いているわけではありません。
世間には、”あまりにもサッカーのことや脳の仕組みについて知らない人が多い“ので、”あくまでもライフキネティック・トレーナーの視点から様々な情報、そして個人的なアドバイス“として書かせていただいております。
他にも、たくさん知るべきことはあると思いますが、是非その他の記事にも目を通していただいて、サッカーに関わるお子さんの悩みを解決していただけたらと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました♪
