今回は、ライフキネティックに必要とさる専用道具と、その入手方法についてお伝えしていきます。
ライフキネティックを全く体験したことが無い方にとって、エクササイズでどのような道具を使うのか気になりますよね。
そこで今回は、ライフキネティックに必要な道具と、それらを入手する方法を少しだけ紹介します。
まず代表的なものが、色とりどりのビーンバックです。こちらの名称はエドゥーと言います。少し変わった形状をしており、球体ではありません。そしてこのビーンバックには、数字や文字が書かれています。
ライフキネティックでは、ただ単に物を投げてキャッチするだけでなく、色や数字や文字を見るという能力を向上させるエクササイズも存在する為、それらを同時にトレーニングができるように作られています。
その為、一般の方がこちらのビーンバックを手に入れることは残念ながら不可能です。こちらの道具は、基本的にトレーナーが日本支部に発注して入手しています。
その他にも様々な道具があります。
軽くて柔らかいクッション性のソフトボールであったり、少し大きめのジムボールであったり、弾みやすいボールであったり、他には色のついた縄やシフォン(スカーフのようなもの)などもあります。
またライフキネティックには、目を鍛える為の道具も幾つか存在しています。特に特徴的なのが、「Tranaglyph(トラナグリフ)」という赤と緑の色がついたメガネを使用することがあります。こちらの使用方法ですが、特別なエクササイズになるので今回は省略させていただきます。
こうした道具を用いて、参加者の脳の機能を向上させるエクササイズを毎週1回60~90分継続して行っていきます。
目次
①道具は目的別に使い分ける
ライフキネティックに興味を持ってくれた方から、「エクササイズを行う為には、専用の道具でなければダメなのか?」という質問が時々あります。
率直にお答えしますと、実はエクササイズを行う為の道具は何でも構いません(笑)
ただし、ライフキネティック専用の道具は、各種エクササイズを行うのに適した重さや形および非常に工夫がなされた設計になっています。その為、100円ショップで購入できるようなモノよりも値段が高めです。
だからといって100円ショップで手に入るものを使わないというわけではありません。私自身も「使えそうな道具がないかなぁ」と100円ショップに良く行きますが、なかなか目当てのものが売っていないというのが現状です。
ネットショップを検索することもありますが、同じくらいの値段ならばあえてそれらを購入せずに、日本支部から正規の道具を購入した方が使い勝手も良く便利ですし、その道具に適したエクササイズを行えます。
とは言うものの、屋外でサッカーをしながらエクササイズをするこもあるので、私の場合はスポーツショップ等に行って、使えそうな道具を購入することが多々あります。
最近は、屋外でトレーニングすることが多いので、汚れても大丈夫なように安いカラーボールや色別のテニスボール等も使用しています。
要するに、どのようなエクササイズをするかによって道具を使い分けることが重要であって、必ずしも専用の道具でなければいけないということではありません。
②エクササイズ別(目的)に合わせる
一番重要なのは、ライフキネティックで「どのようなエクササイズをするか?」です。
この理論を理解していれば、この辺はいくらでも調整することができます。でも、一般の方で理論を理解していない人が道具を揃えるというのは正直難しいと思います。
何故、「そのエクササイズをする為に色の付いた道具が必要で、大小様々な大きさのボールや重さの道具が必要なのか?」を理論的に知っていないと、「何の為にそのエクササイズをしているのか?」が分からなくなります。
最近ではYouTube等の動画投稿サイトで、様々な方たちがライフキネティックのエクササイズを行っている風景を見ることができます。しかし、こうした動画で流れているエクササイズは、主に単純作業(いわゆるルーチン化した作業)と言われているものです。
これはエクササイズを行う上で非常に重要なことなので、本気で学びたいと思っている方はここから先をメモしてください。
日本人は、そのトレーニングをするにあたって、道具やコートの大きさや距離をとても重要視する傾向があります。しかし、海外の指導者たちからすればそれはあまり意味の無い部分であり、大切なのはそのトレーニングをする必要性や意図です。
元日本代表監督のオシム氏がトレーニングで多色ビブスを使用すると、ジュニア年代の指導者たちはこぞって多色ビブスのミニゲームを盛んに行いました。
すると今度はバルセロナがパス回し(ロンド)を行っていると知れば、こぞって日本の指導者たちは子供たちに同じことをやらせようとします。
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・何を目的にそれを行うのでしょうか?
・何を根拠にそのトレーニングをするのでしょうか?
こうした部分が、日本人の指導者に最も欠けている分部でもあります。
医療機関では、その療法や対応にエビデンス(証拠や根拠)があるか無いかといったことが論議されますが、サッカーにおいてもエビデンスは重要です。
何をもってしてライフキネティックをチームのトレーニングの中に取り入れるのか?
その根拠が必要ですし、そのトレーニングを行うことでどのような効果が得られるのか(証拠)がとても重要です。
パーソナルトレーナーという観点から、多くの指導者のトレーニングを見ると、それはライフキネティックではなく、単純な脳トレになっています。
何故、それらが単純な脳トレになってしまっているのかというと、それは先ほどもお伝えしたように、このライフキネティック理論を知らないと、繰り返しの単純作業(ルーチン化した作業)になってしまうからです。
私自身、ライフキネティック・サッカースクールに参加している選手たちに各種エクササイズを提供する際は、しっかりとタイミングを見計らって次の課題を与えます。
決して、ただ単にそのエクササイズを与えているわけではありません。
ですから、決して専用の道具がなければいけないということではないのです。
③専用の道具でなくても良い
そのエクササイズを行う「意味」、そして次の課題に進む「タイミング」、それぞれ参加者たちの「強み」や「弱み」を見極める「観察力」、更に数ヵ月後にはこうなってほしいと「計算」した上で各種エクササイズを提供しています。
ですから、「うちのクラブは判断力を重視した脳トレを行っている」と言っていたとしても、その脳トレが必ずしも選手たちの判断力向上には繋がらない、または効果が薄いということも大いにあり得ます。
もし今の私が多色ビブスを使ったトレーニングを取り入れるならば、それなりの根拠や証拠(それをやるとどこに効果があるのか)を把握して取り入れることができます。
ちなみに前回(先週)のサッカースクールでは、それぞれ選手たちに「イメージする能力」を持たせたかった(能力を向上させたかった)ので、あえて目隠しをしてエクササイズを行いました。
では何の為に目隠しをしてエクササイズを行ったのか?
それによって、どのような能力が向上するのかを選手たちにも伝えています。
このように、ライフキネティックは道具やエクササイズ重視ではなく、エビデンス(根拠と証拠)を重視した運動プログラムとなっています。
ですから、皆さんもどのような根拠や証拠があってそれらトレーニングを取り入れているのかを指導者の声を聞きながら感じてみてください。
本当にそのトレーニングが目的に合わせて行われているのか?
それに見合った道具も揃えているのか?
以上のことに注意しながら、皆さん自身が見極められるようにしてみてください。
ただ単に、そのエクササイズが素晴らしいから真似をするのではなくて、自身のオリジナル性やアイデアさえあれば、専門の道具が必要になることはありませんし、特にこれといって問題はありません。
これはライフキネティックに限らず、サッカーのトレーニングにも言えることです。
サッカーで日本人らしさを出していく為に、どのような技術や能力を出せれば、世界のサッカー強豪国に勝てるのか?
育成年代を指導する指導者たちがしっかりと考え、それによって、日本国内サッカー全体のレベルを少しでも底上げしていってほしいなと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、ライフキネティックの専用道具と、その入手方法についてお伝えしました。
ライフキネティックや道具の一部を下記のページでも簡単にご紹介していますので、もし興味がある方は、是非ご覧になってみてください。